4.2年目の「安田」 5.芋焼酎の特徴的な香り(モノテルペンアルコール)

4.2年目の「安田」

平成25年10月、「安田」の発売とほぼ同時期に、2年目の「安田」の仕込みもスタートしました。

芋の傷みがあった1年目の反省を受けて、2年目は、芋の傷みのない、早めの時期に仕込みを行いました。平成25年は、気候にも恵まれて、全般的に芋の出来も良かったこともあり、仕込みも順調で、出来上がった焼酎も、1年目のような刺激臭もなく、上々の出来に仕上がりました。

2年目の「安田」は、1年目よりも飲みやすい味に仕上がり、全体的な評判も上々で、1年目同様、発売後早い段階で完売となりました。

ただ、無難に仕上がった分、1年目の衝撃的な風味を覚えている方にとっては、2年目の「安田」は、少し物足りなかったとの意見を、時々耳にし、芋焼酎造りの難しさを痛感しました。


5.芋焼酎の特徴的な香りについて…モノテルペンアルコール

マスカットやライチに例えられた、芋焼酎「安田」の香り。この原因はどこから来るのか。
いろいろと勉強する中で、芋焼酎の特徴的な香りである「モノテルペンアルコール」が、大きな影響を与えているのではないかと考えるようになりました。

この「モノテルペンアルコール」というのは何なのでしょうか?
酒類総合研究所が出している情報誌「お酒のはなし 11号」(平成19年7月25日発行)の中に、以下の記述がありますので、参考にして下さい。



芋焼酎の特徴香で、柑橘類や花にも含まれている成分である「モノテルペンアルコール」。
これまでの研究で、芋の品種により大きく違うことが分かっています。また、白麹よりも黒麹を使った芋焼酎の方が、また、米麹よりも芋麹を使った芋焼酎の方が、モノテルペンアルコールが高くなる傾向にあります。

そして、上記記述の中で、さつまいものモノテルペンアルコール配糖体を分解する、焼酎麹菌の酵素というのが、「3.麹の役割について」のところでお話した「β-グルコシターゼ」という酵素になります。


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