「蔓無源氏(つるなしげんぢ)」の芋を使った芋焼酎の原酒
「蔓無源氏(つるなしげんぢ)」
が、平成21年1月14日から瓶詰めが開始され、これから順次発売になります。(酒販店により出荷時期が若干異なりますので、詳しくは取扱店に確認してみて下さい)
原酒で発売している「蔓無源氏」は、年1回の限定販売で、今回が3回目の発売となります。
今回は、平成19年仕込みで、蒸留後1年以上貯蔵してからの発売です。
尚、今回発売分の「蔓無源氏」の使用割合は、87%程度です。(平成18年仕込みは80%程度でした)
ちなみに、平成20年仕込みは、「コガネセンガン」を一切使わず、「蔓無源氏」100%で仕込むことができました。(この焼酎の発売は、平成22年1月頃の予定です)
また、今回発売する平成19年仕込みの焼酎の一部は、早めに加水して十分になじませ、今年(平成21年)の秋頃に、25度もしくは26度の「蔓無源氏」として発売を予定していますので、こちらも楽しみにしておいて下さい。
アルコール度数
原酒での発売で、今回は37%です。(前回は35%でした)
小売希望価格
1,800ml入り 3,570円(消費税込)(前回と同じ価格です)
さつまいも「蔓無源氏(つるなしげんぢ)」について
明治40年、鹿児島県垂水市の中馬磯助氏が発見した品種です。
蔓無源氏は、源氏種の突然変異で、ツルの長さが源氏に比べてはるかに短く、芋の新芽が赤く色づくのが特徴です。ちなみに源氏というのは、明治28年、広島市の契約移民・久保田勇次郎氏が、オーストラリアから持ち帰った品種です。
蔓無源氏は、でんぷん歩留まりが高く、現在栽培されている高でんぷんの育成品種の多くは、この血を受け継いでいるとのことです。
一時は青果用やでんぷん用などで盛んに栽培された時期があり、「西の“蔓無源氏”東の“紅赤”」と呼ばれたような時期もありましたが、太平洋戦争を機に、収量や形状のいい他の品種の芋にとって代わられ、現在では、ほぼ絶滅しかけていました。
尚、蔓無源氏に代わり、現在では“高系14号”“ベニアズマ”などが主要品種となっています。
芋焼酎「蔓無源氏(つるなしげんぢ)」について
平成15年夏、鹿児島県農業試験場に出向き、大正時代に作られていて、現在ではあまり栽培されていない芋の苗をということで、蔓無源氏の苗を10本ほど頂き、それを霧島市福山町の農家の谷山さんに栽培をお願いしました。
「大正時代に」とこだわった理由は、「大正の一滴」を造るに際し、大正時代「老麹(ひねこうじ)」の造りを再現した訳ですが、さつまいもに関しては、大正時代に作られていたさつまいもがなく、結局のところ、昭和41年より作られている「コガネセンガン」を使って作ってきました。
今回、明治後半に発見され、大正時代から昭和時代前半頃までに主に作られていた「蔓無源氏」を使って、「大正の一滴」を造ることで、真の意味での「大正時代の焼酎」が再現されたと思います。
「蔓無源氏」はふかして食べると甘みが強く、その影響で、焼酎になっても甘みが強いのが特徴です。更に、「大正の一滴」の造りで仕込み、割水をせず原酒の状態で出荷するため、コクと旨みのある味わいに仕上がっています。
尚、「蔓無源氏」は、農家の谷山さんのところで、まだ僅かしか作られていないため、焼酎の出荷量も非常に少ないため、お求めできないことも考えられますので、ご了承頂ければと思います。
詳しくは、国分酒造へお問い合わせ下さい。