【芋100%焼酎への挑戦と100年昔の芋の復活】(その2)
シリーズ2回目は、「蔓無源氏」のお話です。

百年昔の芋を復活させて仕込んだ「蔓無源氏(つるなしげんぢ)

(1) 大正時代の造りを再現した焼酎「大正の一滴」
平成10年に発売した、芋100%焼酎「いも麹芋」。予想に反して、スッキリとキレのある焼酎に仕上がりました。
より芋の個性のある焼酎を造るために、杜氏・安田が考えたのが、"しっかりとした米麹を造る"ということでした。
平成12年、沖縄の泡盛の造りと、大正時代の造りを参考に、麹の培養時間を長くした"老麹(ひねこうじ)造り"と、二次もろみの日数をかなり引き延ばした"長期発酵"で仕込んだ「大正の一滴」を造りました。

大正の一滴

(2) 大正時代に栽培されていたさつまいもを探して
「大正の一滴」は、平成13年に発売になりました。大正時代の造りを再現した焼酎ですが、肝心のさつまいもは、戦後に作られた"コガネセンガン"(昭和41年に品種登録)で、大正時代には存在していません。
"大正時代に栽培されていた芋を使って「大正の一滴」を造りたい"との想いから、平成15年7月、鹿児島県農業試験場に足を運び、「蔓無源氏」の苗を10本ほど分けて頂きました。

「蔓無源氏」の芋は、明治40年に鹿児島県で見つかった在来品種の芋で、大正から昭和初期にかけて、西日本を中心に、盛んに栽培されていましたが、戦後、新しい品種の芋が次々に開発されたため、昭和40年代頃から、ほぼ絶滅状態になりました。
分けて頂いた10本の苗は、霧島市の農家・谷山秀時さんに届けて、芋の復活を託しました。谷山さんが熱心に取り組んでもらったおかげで、「蔓無源氏」の芋が3年がかりで、10本の苗から見事に復活しました。

谷山秀時さん(右)と安田杜氏
 
(3) 「蔓無源氏」の芋を使った焼酎造り
芋の復活に取り組んでから3年目にあたる平成17年11月、3.5トンの「蔓無源氏」の芋の収穫があり、この年初めて、「蔓無源氏」の芋を使った焼酎造りを行いました。仕込みは、大正時代の造りを再現した「大正の一滴」と同じ手法で行いました。
麹米は、当初はタイ米を使っていましたが、平成20年9月に起こった"汚染米事件"を機に、地元霧島市の農家のご協力を頂いて、長粒米「夢十色」に切り替えました。
現在では、米は霧島産長粒米「夢十色」全量、芋は谷山さんの栽培する「蔓無源氏」全量で仕込んでいます。

「蔓無源氏」の焼酎は、3年ほど熟成させていて、濃い味わいと甘い香りが特徴の焼酎に仕上がっています。 

蔓無源氏

(4) とても甘くてねっとりした「蔓無源氏」の芋
「蔓無源氏」の芋は、食用としても、とても甘くて美味しい芋です。
野菜ソムリエの方からも高い評価を頂いていて、平成25年11月の野菜ソムリエサミットで、「蔓無源氏」の芋が、食味評価部門で3位に入賞しました。その時の野菜ソムリエの方のコメントです。

"果肉の濃いオレンジ色が美しく、甘さもあり、フルーティな味わい"
"ギュッと詰まった味と深みで、今までに味わったことのないようなサツマイモの概念が覆された感覚"

更に、平成20年より、霧島市立国分中央高校の先生、生徒の皆さんのご協力を頂いて、「蔓無源氏」のバイオ苗に取り組んでもらい、芋の品質がよりレベルアップしています。

 
芋焼酎「蔓無源氏」は、全国の特約店でのみ販売されています。
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